C社様ネットワーク関連スポット案件を終えて

宮下です。
先日、知り合いの会社様からネットワーク不具合の解析とネットワーク再構築のご依頼を頂戴しました。

今回はその時の作業でどのようなことを行ったかを備忘録として記事にします。

ネットワーク解析

配線(パケットループ発生)の確認

今回の不具合の症状ですが、無線LANに誰かが接続する or プリンタにプリント指示を出す際にLANもWANも繋がりにくくなるという症状でした。
ポイントは完全に断となっていない点ですね。

よく考えられるケースとしては、何らかの理由でブロードキャストパケットのループが発生しているケースが考えられます。

ちょっとだけ専門的な話をすると、ネットワーク通信はパケットというデータを送ることで実現しています。
パケットには寿命が決められていて、一定の回数機器を経由するとパケットは消滅する仕組みになっています。
ブロードキャストというのは、一斉送信を指していて、簡単に言うとネットワーク内の機器全て宛でパケットを送るというものになります。

初歩的なミスとしては配線の冗長な状態というケースがあります。
機器間は特殊な設定をしていない場合は、1本のケースだけ繋ぐのですが、2本繋いでしまっていてA→B→A→B→・・・という感じでパケットがループしてしまっているケースがよくあるパターンです。

で、今回も配線を一通り調べてみたのですが、ループが発生するような配線にはなっていませんでした。(というか以前に私が冗長になっている部分を省いたので当然と言えば当然)

パケット解析

次におなじみのWireSharkを用いたパケット解析。
解析用ノートPCをLANに繋いでパケットを取得してみました。

結果、PC2台からマシン名解決のパケットが定期的に飛ばされていましたが、とてもネットワーク負荷をかけるパケットとは思えませんでした。

で、ブロードキャストパケットを送信してみましたが、ループが発生することはなく、正常に動作していました。(無効なブロードキャストパケット送出も同じ)

他にもいくつか心当たりのパケット解析をしましたが異常はありませんでした。

物理的な線の破断

もう一度ネットワークの配線を調べてみるとある部分でケーブルが破断して著しく損傷している箇所がありありました。
外皮が剥け、内側のツイストケーブル部分の内皮も剥けている状態でした。
このため、場合によってはショートが発生して、無効な電気信号がLAN内に送出される可能性があります。

今回は、これが原因候補の1つだったので、敷設済みのこのケーブルをネットワークから除外し、接続先のハブも使用しない形をとることで対応しました。

ネットワークの再構築

基本的な配線はそのまま活用することにしました。
敷設されているケーブルだったので、交換が難しいことも理由の一つです。

で、既存のネットワークでは家庭用ルーターに無線APをつなぐ方式がとられていました。
ルーターの方は15年近く前のものですし、家庭用規格の製品ということから耐久年数を超えている物と判断。ルーターやAPの故障でもネットワーク障害は発生するので、APだけの交換予定でしたがルーターも交換することに。

幸い、交換用に持ってきたAPはルーター機能もありますから、2つを1つにまとめる形で交換を行いました。
ネットワーク情報(特に光回線接続情報)がなかなか見つからず、事務の方には事前にお伝えしておけば良かったと反省しました。

無線ルーターをルーターモードにして、WANの接続先情報を登録。
続けてSSIDとパスワードも以前のものに設定することで、端末側は更新を意識せずに済むようにしました。
LAN側のDHCPサーバの配布するネットワークアドレスも以前のものに設定し、ネットワーク基幹装置の構築は完了。

ネットワーク機器に繋がらない

プリンターに繋がらない

ルーターの更新完了後にインターネットに繋がることはすぐに確認が取れたのですが、プリンターに繋がらない不具合が確認されました。

結果的にはPC上のARPテーブル(ネットワーク機器の接続情報)が更新されないことによる不具合だったようで、PCを再起動すれば有線からも無線からもプリンターに繋がることが確認できました。

ネットワークHDDに繋がらない

こちらの会社さんではネットワーク上にNASとしてHDDを一台接続していました。
ネットワーク更新に伴い一切繋がらなくなったということ。(もともと繋がりにくかったとのこと)

で、こちらは調べてみるとHDDの規格が古く、SMB1.0でしか通信できないことが分かりました。
Windows10では、SMB1.0は無効化されており、2.0か3.0でしか接続できません。
それが原因で繋がらなかったようです。

社長さんのPCは以前にこの対応を行っていたため繋がりましたが、他の方は未対応だったので繋がらなかったようです。

これで無事にネットワークの更新を行うことができました!

1週間後くらいに再度訪ねたのですが、問題はないということだったので、一安心。
スポットでのお仕事でしたが、久しぶりにネットワーク構築の知識を役立たせることができて良かったです。
今回は小規模の事業所のネットワーク構築でしたが、数十人規模のネットワーク構築も行うことができます。
ネットワーク構築やネットワーク障害でお困りの方がいらっしゃいましたら、こちらからご相談くださいませ!

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